お知らせ
丸太の値段っていくらなの?吉野材は高価なの? 【1本あたりの価格表】
吉野材って高いの? 銘木と呼ばれて高価なの?
原木市終了後、丸太に書かれている落札金額は、単価表記です。
実際の値段は「丸太の材積」×「1㎥当たりの単価」となります。
この太さの丸太だと値段は、平均的にいくらか解るように【丸太1本当たりの単価早わかり相場表】を作成しました。
中丸太(径14~22cm、長さ3.65~4.0m)が上吉野木材協同組合で取引される「1年間の原木丸太の平均価格」と一般的な原木丸太の価格がどれほど違うか比べてみました。
目次
1.原木市で落札された丸太で金額を計算してみます
2.丸太1本当たりの単価早わかり相場表
3.スギの径と金額をグラフで表示
・3m元玉より4m2番玉の方が高い
・格言:「スギ中目 3mは売りにくい」
4.ヒノキの径と金額をグラフで表示
・径:16cmの4m元玉より3m元玉の方が値段が高い
・格言:「できる三五角」
5.で...吉野材。高いの安いの?
6.立米単価と出材量の推移と結論
1. 原木市で落札された丸太で金額を計算してみます
丸太1本の値段を実際に落札されたヒノキで見てみましょう。
- 単価(白チョーク 25−):25、000円 (最上段の丸太に記入)
- 径級(青チョーク 8) :18cm
- 長さ(写真では見えませんが側面に記載):3m
- 椪列番号(黒チョーク 314):314番
- 買い番(白チョーク 105) :105番様が購入
径級18cmで長さ3mの材積は0.097 × 落札単価:25,000円=2,425
丸太1本の値段は2,425円です。
37本 × 2,425円 = 89,725円
2019年秋の特別市に出品された東吉野産元木で直材、枝打ち時期も早く無節の柱が製材できる丸太です。
この丸太は、径級18cmの中でも高値で落札されました。
桧3m元玉が2,425円。
高いですか?安いですか?
元玉(1番玉)2,425円。
2番玉が元玉の半値ぐらいと考え1,213円(2番玉で末口の径:16で長さ:4mと仮定) 。
ざっくり計算して、立木1本 3,638円。
約60年間 真っ直ぐ育った木が、金額にしておおよそ3,638円では安くないかな?
1年間の原木市を通して、平均的な値段はいくらか見て行きましょう。
2. 丸太1本当たりの単価早わかり相場表
上吉野木材協同組合において開催された原木市の1年間(2019年7月〜2020年6月)の平均価格を表示しています。
【丸太1本当たりの単価早わかりの相場表】は
『小さい林業で稼ぐコツ 軽トラとチェーンソーがあればできる』(農文協)
という本の「1日3万円稼ぐ木の切り方−造材のコツ(愛媛県・菊池俊一郎さん)」のページに出てきた相場表を参考にさせて頂きました。
(農文協)http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54017158/
『小さい林業で稼ぐコツ 軽トラとチェーンソーがあればできる』の相場表では、スギ・ヒノキの「直材」、「曲り材」で区別して単価を表示していますが、当組合のデータには「直材」、「曲り材」の項目がないため「元玉(1番玉)」と「元玉以外」で単価を分けて表示しています。
また、丸太の径(末口直径)は6cmからの単価が掲載されていますが、
当組合では小径木の出材が少ないため13cmからの表示とさせて頂きました。
3. スギの径と金額を折れ線グラフにしてみました

径級:22以上では、3m元玉より4m元玉以外の方が金額が高くなっていることが意外でした。
単価は3m元玉の方が高いですが、3mと4mでは材積に差がでて、金額計算では4mの方が高くなります。
元玉は高く売れるという先入観がありましたが、3mの杉径22以上だと思ったより高値で売れないことが解りました。
この杉、3mで差し取りしていいですか?
(4mだと道までどらしていくのは大変だな..)
杉の太い木は、3mで出材すると売れにくいから、曲りを見て4mで小切ってね。
杉径22より太くなると造作材(※1)の需要が多くなり4mが好まれます。
また3m材は欠点があり短く小切ったと、買い方に警戒されて、値段が上がらない場合があります。
どこまでの4mの曲りや欠点を良しとするか判断が必要になります。
※1 造作材:化粧材とも呼ばれ、建築内部の仕上げや取り付けに使用される木材。人目にふれる箇所に使用される為、木の美しさが要求され構造材より高価です。
4. ヒノキの径と金額を折れ線グラフにしてみました

ヒノキの径級:16cmが高い値段で落札されていることに驚きました。
これは、59期だけの現象か調べてみました。
昨年度から3年間のデータを集計しました。
ヒノキ4mと3m元玉を比較【3年間のデータ】

59期のように径:16cmの1本当たりの金額が、3mと4mで逆転していませんが、径:16cmの3m元玉が高値であることは変わりません。
径が大きくなると4mと3mの金額は、逆に大きく開いています。

このヒノキ、4mで差し取りしていいですか?
元口と末口から曲りを見てね。
角地で曲りの4mで差し取りしないこと!
「できる三五角」→ さんごかく:3寸5分(10.5センチ)の正方形の柱。
枝打ちされた径級16cmが「四方無地の三五角」を製材できる可能性が高く、欠点の無い丸太は高値で落札されます。
枝打ち技術の浸透により4寸(12センチ)の無節材は日本中どこでもありますが、3寸5分の無節材となると、密植で成長を調整して、適切な時期に枝打ちを数回に分けて行う必要があります。
標準的な天井高は2m20 cm~2m40 cmで、芯持柱として製材される径級14〜18センチは3mの需要が多くなります。
4mと3mの材積の違い
最後に4mと3mの材積の比較をしてみました。径級が大きくなるにつれて、材積の差が開いてきます。
上記のグラフでは径が大きくなると、材積の差以上に「1本あたりの金額」の差が大きくなっています。
径が大きい木は、元玉で4m以上の欠点が少ない直材がとれるかが、売上を伸ばせるかの分かれ目となります。

5.で...吉野材。高いの安いの?
農林水産省が出している素材(丸太)の価格と比較して、「高い」か「安い」かを判断してみましょう。
『令和元年度 森林・林業白書 第Ⅲ章 木材需給・利用と木材産業 第1節 木材需給の動向』の「資料III- 12 我が国の木材価格の推移 」から日本全体の杉・桧の原木丸太の単価と比較します。

農林水産省「木材需給報告書」 2019年の素材(丸太)単価
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ3.65~4.0m) :13,500円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ3.65~4.0m) :18,100円/m³
※製材工場着の価格。
上吉野木材協同組合 2019年1月〜12月 原木市の平均単価
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ4.0m) :11,516円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ4.0m) :14,842円/m³
「資料III- 12 我が国の木材価格の推移 」は製材工場着の単価なので、
当市場で掛かる積込料:1㎥当り990円(税込み)
市場からの運賃:1㎥当り1000円(予想です)
積込料と運賃を加えると
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ4.0m) :13,506円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ4.0m) :16,832円/m³
えーー!!😨
ヒノキは全国の単価と比べて
安いじゃないですかー!
元玉と元玉以外(2番玉、3番玉)で分けて集計してみましょう。
無節材が取れる可能性が高い元玉(1番玉)だけを集計しました。
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ4.0m) :13,268円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ4.0m) :21,703円/m³
積込料と運賃(1990円/m³)を加えると
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ4.0m) :15,258円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ4.0m) :23,693円/m³
元玉以外(2番玉、3番玉)の集計結果です。
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ4.0m) :10,815円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ4.0m) :12,854円/m³
積込料と運賃(1990円/m³)を加えると
・スギ中丸太 (径14~22cm、長さ4.0m) :12,805円/m³
・ヒノキ中丸太(径14~22cm、長さ4.0m) :14,795円/m³
無節材がとれる元玉は、全国の単価より高くなります。
しかし、最盛期から比べて5分の1ほどの値段です。
元玉以外の値段は安いですね。
以前より2番玉の値段が下がっています。
2番玉に出やすい枝打ち不良によるシミや、間伐・枝打ちの遅れによる枯れ枝から、死節が現れる事が買い方に嫌われています。
6.中丸太の立米単価・出材量の推移と結論

上記グラフを見るとヒノキ元玉の立米単価の落ち込みが大きいです。
スギは2019年の出材量が落ちたことで立米単価が横ばいに推移しました。
吉野材の大きな特徴である品質が良い無節材は、価格の下落が続いています。
入力項目の都合で集計は出来ていませんが、角地(径級22cm以下)の2番玉の価格が下がっています。3番玉(末木)の値段と変わらなくなっています。
原因として、2番玉以降に出やすい枝打ち不良によるシミや変色、間伐・枝打ちの遅れによる枯れ枝から、死節・虫害が現れる事が敬遠されています。
今回は、角地・中丸太と呼ばれる径14~22cmの丸太の値段を調べてみました。
丸太の値段としては、全国平均の値段と大きな差はありませんでした。
無節材が製材できる元玉は全国平均よりも高いですが、製品の無節材と一般材の差と比べると微々たる差でした。
・吉野材 原木丸太(元玉)と全国平均の丸太の価格差
スギ :1.2倍
ヒノキ:1.4倍
製品になると製品の流通量、物流方法により対一般材との価格差が大きくなります。
丸太の段階では、それ程の価格差はありませんでした。

吉野桧
無節材
節が全く無い。もしくは、極端に節の数が少なく、節の大きさも小さい事がわかります。
適切な時期に枝打ちが行われている証です。

一般材
節が多く、節の大きさも大きい。
枝打ちされていない木、もしくは、2番玉、3番玉の丸太から挽いた木材。
銘木吉野材の木目の美しさ、艷やかに光るさま、爽やかな香りを一度体験して頂きたいです。
体験して頂くと必ず気にいって、満足して頂ける自信があります。
木材には良いことがたくさんあります。
木の表面は水分を吸ったり吐いたりする湿度調整機能があり快適な湿度を保ってくれます。
木は紫外線の一部を吸収する性質を持っています。木が反射する光を和らげて目に入る刺激を少なくしてくれます。
また、音をバランスよく吸収して、ほどよく柔らげる性質があります。
木材は心地よいおちついた空間を作ってくれます。







